会社設立における決算期の決め方 その2(H25.12掲載)

消費税の観点から

・2年間は免税!?

「会社設立から2期の間は、消費税を納めなくてもよい」

というのは、よく言われることではないでしょうか。

その理由は消費税法にあります。

法人の場合、原則として前々事業年度(基準期間といいます)の課税売上高が1,000万円以下のときは、消費税を納める義務が免除されます。

新設法人については、2期目まではそもそも基準期間がないため、納税義務が原則としてないのです。

ただし、ここで免除の対象となる新設法人は、期首資本金が1,000万円未満の会社のみです。

以下、期首資本金が1,000万円未満の新設法人を前提に話を進めます。

・設立2期目から課税事業者になることも!?

ところが、平成23年度改正により、基準期間がない法人や基準期間の課税売上高1,000万円以下の法人であっても、納税義務が免除されないケースが出てくるようになりました。

具体的には、原則として特定期間(直前期の上半期)の課税売上高が1,000万円を超える場合、消費税の課税事業者となります。

ただし、課税売上高に代えて特定期間中の給与等の支払額により判定することも可能です。

また、直前期が7ヶ月以下の場合には、特定期間による判定は原則不要となります。

・設立1期目から課税事業者になることも!?

さらに、平成26年4月1日以後に設立される法人については、大規模事業者等(課税売上高が5億円超の事業者が属するグループ)により支配されている場合、設立初年度から課税事業者となります。

大会社等による租税回避行為を防止するための措置と言われています。

・結局、決算期をどう決めればいい?

ここまでを踏まえて、消費税の観点からは決算期をどのように決めればよいでしょうか。


 前提1:できるだけ消費税の免税期間を長くすることのみを優先

 前提2:資本金は1,000万円未満で設立し、増資の予定等もない

 前提3:大規模事業者による設立等に該当しない


上記前提のもとで、とるべき基本方針は・・・


 ①設立初年度、最初の半年で課税売上高と給与支払額がともに1,000万円を超えそうな場合

  1期目が7ヶ月以下になるよう事業年度を設定すれば、1期目・2期目ともに消費税の納税義務が免除される


 ②設立初年度、最初の半年で課税売上高と給与支払額の少なくともどちらかが1,000万円以下におさまりそうな場合

  1期目ができるだけ長くなるよう事業年度を設定(ex.8月設立であれば7月決算)し、納税義務が免除される1期目・2期目を極力長くする


以上のようになります。


ただし、消費税については課税事業者の選択有無・簡易課税と原則課税の比較等、個別に検討しなければ方針を定められないケースが多いのも事実です。

特に設立初年度に多額の設備投資を行うような場合、あえて課税事業者の選択をして消費税の還付を受けた方が有利となることも考えられます。

詳しくはご相談ください。

まとめ

以上、「決算期の決め方 その1」と当ページにおいて、下記項目に分けて決算期の決め方を検証してきました。

・親会社や取引先との関係から

・資金繰りや売上変動の観点から

・業務繁忙期の観点から

・税理士事務所の観点から

・消費税の観点から


実際には、これらに優先順位をつけた上で、事業年度を決定することになります。

ただし、親会社の意向等によっては選択の余地が無いこともあるため、まさにケースバイケースといえるでしょう。

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